今日もぱんまつり

2008-12

木下けい子「隣の彼」

隣の彼 (ミリオンコミックス 60 Hertz Series 34) (ミリオンコミックス 60 Hertz Series 34)隣の彼 (ミリオンコミックス 60 Hertz Series 34) (ミリオンコミックス 60 Hertz Series 34)
(2007/12/01)
木下 けい子

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一浪後東京の大学に入った主人公・松田君が引っ越しの挨拶に行った隣の部屋には、小さな女の子と妙に怖いヒゲ男が住んでいた。この女の子(はなちゃん)がかすがいになって松田君と隣人(嘉彦さん)は親しくなっていくんだけど、嘉彦さんがゲイであることが早々に判明し、松田君も彼が気になって仕方がないのに軽くあしらわれて一向に進展しない。
この作家さんには「キスブルー」でもジリジリさせられたけど、今回も「松田君いい子だし、はなちゃんも懐いてるし、なんでダメなの〜」と終盤までジリジリさせられた。
一応、それには納得がいく理由というか、嘉彦さんの過去が絡んでくるんだけど。

松田君の造型がいい。郷里の長野から引っ越しそばやリンゴが送られてくる描写やときどき出る方言がなんとも味があって、一浪して二十歳で童貞という設定共々、訳ありなおっさんに直球でアタックする様に説得力を与えている。
嘉彦さんも無精髭でジャージで自由業という分かりやすい属性ながら、はなちゃんの祖父と対峙した時や一人過去を想う時にはそれぞれ松田君の前とは違う顔を見せて、いろんな意味で大人だなと思わせる。

とにかく松田君とはなちゃんが可愛い。
ジリジリはするけど、このままずーっと嘉彦さんにあしらわれる松田君を見ていたいような気さえする。でも終盤、辛い過去から逃れられない嘉彦さんの姿を見せられると、松田君このおっさん助けてあげてという気分にもなる。
その後ちゃんとくっつくんだけどHはあっさり。でも空腹は最高の調味料なので問題無し(笑)。

あとがきで、よっちゃん(嘉彦さん)は「どまんなかの受けキャラ」と周囲に言われたとあるんだけど、そう思うとそう見えてくる。ヒゲ剃ったら綺麗な顔だし。松田君も男っぽいところが多々あるから、最後までわからなかった。
余談ながら嘉彦さんの友人というか元彼(名前不明)の既婚リーマンがちょっと気になる。ネクタイ肩に乗っけて牛丼食べてる絵とか…今回リーマン成分はそれだけなので食いついてしまった(笑)

テーマ:ボーイズラブ - ジャンル:本・雑誌

村上左知「ルールそのいち 完全版」

ルールそのいち 完全版 (ニチブンコミックス)ルールそのいち 完全版 (ニチブンコミックス)
(2007/06/28)
村上 左知

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帯で堂々と謳っているとおり、受×受です。
小柄でちゃきちゃきした理央とキレイ系でぼんやりの悦史は高校の同級生。互いにゲイだと知った上で惹かれ合いながら、「受同士」であるがゆえに簡単にいかない…というお話。
登場人物はゲイであることにはさほど悩んでいない。悦史はそれが原因で家を出て一人暮らしをしているけど、最初に説明された後は一切触れられない。
理央の所属する弓道部の顧問・知念先生(ゲイ)に至っては「野上って男 好きだろ、いいところ連れてっちゃるよ」と理央をクラブに連れて行く始末。
現実味が薄いと言えば薄いんだけど、深く苦悩してればリアルというわけでもないし、全体に突飛な要素がなく展開が淡々としているのでちょうどよかった。

物語は二人が恋人になるまでが半分、残りはずーっとイチャイチャ、という割合。(後半は同人誌の再録とのこと)
このイチャイチャ描写がうまい。
制服に着替えて帰ろうとする姿をベッドの上から名残惜しく見ているとか、ラブホテルに初めて入る方と慣れてる方の他愛ない会話とか。
H描写は派手じゃないけどエロい。リバになるのは途中からなんだけど、完全にできあがったカップルにちょっとした倒錯味が混入して、エグくないけどいやらしく、しかし爽やかに甘甘。

絵柄は若干クセがあり、特に前の方は初出が古いので絵も古いけど、人物の表情(特にぼんやり君の方)が独特のノッペリした絵と合っていると思う。
これを読んだ後他の作品も3冊ほど買って読んだけど、今のところリバはこれだけ?
もっとリバを描いてほしいです。
それと、知念先生が受に目覚める話も読みたい。

テーマ:ボーイズラブ - ジャンル:本・雑誌

夏水りつ「愛のチカラで恋をするのだ」

愛のチカラで恋をするのだ (花音コミックス)愛のチカラで恋をするのだ (花音コミックス)
(2006/10/30)
夏水 りつ

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またまた気恥ずかしいタイトルの夏水りつ作品。表紙は札束と花びらが乱舞しています。
今回は絵が安定してないというか、特に受にいまいち魅力が感じられない。ストーリーもお約束の嵐。でも読むとそれなりに満足してしまう夏水作品。
このコミックスでは表題作の、「金はあるけど愛はないデイトレーダー攻×元良家の子息でお人好しだけど芯もある受」よりも、これまたお約束すぎる「遊び人の風俗経営者攻×使用人の息子で幼なじみの受」(「愛の暴虐 恋の純情」)の方が面白く読めた。
攻は表題作でも重要な役回りで登場していて、ツリ目の酷薄顔ながらノホホーンとチャラけたキャラで面白いんだけど、主役にまわるとちゃんと酷薄っぷりを出してくれて良い。受は黒髪眼鏡! 黒髪眼鏡をネクタイで拘束! さすが、わかってらっしゃる。話はお約束ですが。

「この胸のときめきを」「ラブラブミー」は珍しく?高校生同士のお話。それ以外に特筆すべきことはないですね。黒髪眼鏡に顔射という、若干マニアックなシーンがあるぐらい?
夏水りつのセックス描写は、(物語のハーレクインっぷりとは逆に?)男性向けのようなテイストが感じられるというか、受がよがる描写に力が入ってるなあと感じる。
もっともっとフェチを前面に押し出してほしいんだけど、作家性よりは職人性を重視しているような気がするので、なかなか難しいのかもしれない。

今回のあとがきは、ホームセンターで売られている鎖に妄想するネタと、記念すべき「ブ○ボン兄弟」登場。
鎖ネタの「攻めが受けを監禁する」たった一コマが良い。これを漫画にしようよ、これを。
ブル○ンも可愛い弟がドS鬼畜攻でワイルド系の兄が受という…これを漫画にしようよ、これを!
あとがきが本編並かそれ以上に楽しいという点では西田東と双璧。

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山本小鉄子「恋と罠」

恋と罠恋と罠
(2005/11/01)
山本 小鉄子

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山本小鉄子を初めて読んだのは、乙一の小説を漫画化した「死にぞこないの青」だった。
これに収録されていた「暗いところで待ち合わせ」の主人公の絵面が気に入って、他の作品も読んでみたいと思ったらBLだった。
それで入手したのがこのコミックス。

「暗い〜」みたいな、それこそ暗くて繊細な男子が出てきたらいいなあと思ったけど、当然原作つきとオリジナルは作風も違うに決まっているわけで、表題作はわりとありがちな「顔は可愛いけど若干ハブられ気味で、好きでもない男に抱かれてる受」と「不良っぽいけど真面目で男前な攻」が最初は(ちょっとだけ)すれ違うもののすぐに惹かれあって一丁上がりというお話。
続編は体をつなげないと不安な受と、受を大事にしたいから(多分)なかなか手を出さない攻という、これも読み飽きたような話だけど、受のウザ健気っぷりが可愛くはある。
とにかく絵がうまい。目の描き込み方に表情があって、拗ねたり甘えたり怯えたり悲しんだり、受のダメ可愛さがよく出ている。
色気もあって、濡れ場らしい濡れ場は少ないんだけど、キスシーンが妙に肉感的。

同時収録の「LOVE BLOOD」は、僕って何?人生って?と青い悩みに駆られてプチ家出した高校生が妙な男と知り合ってなんだかんだで前向きになる話。
「花咲けるボクたち」は男前と美形がいる花屋で働く男の子の話。
どっちも話はフツーだけどやっぱり絵がいい。透明感があるけど肉感的でもあって。
この絵で「暗い〜」みたいな屈折した青年や「死にぞこないの青」の先生みたいな嫌な人間を描いてくれたら言うことないんだけどなー。そういう要望はやっぱり少数派なんだろうか…。

テーマ:ボーイズラブ - ジャンル:本・雑誌

草間さかえ「夢見る星座」

夢見る星座 (ビーボーイコミックス)夢見る星座 (ビーボーイコミックス)
(2007/06/08)
草間 さかえ

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草間さかえの既刊作品では「はつこいの死霊」が一番面白かったけど、一番萌えたのはこの表題作。
(単に個人的にリーマン×リーマンが好きなせいかもしれない)
クールな新人・久世と、面倒見はいいがちょっと抜けてる上司・柳沼。毎度アクの強い人物を叩きだす草間さかえにしてはどっちも比較的薄味リーマンなのに、絶妙の旨味がたまりません。
「スーツに隠れて見えにくいホクロ」というフェティッシュな肉体性を久世の純情と柳沼のボケがホンワカと包み込んで、タイトルを裏切らないロマンチックな佳品に。

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